女性(20代)
後遺障害12級:左鎖骨骨折等後の肩関節の機能障害
1.事故発生
和歌山市在住の女性(20代)が、原付で幹線道路を直進中、対向車線を直進してきた加害者運転の自動車が道路外に出ようと右折してきたため、衝突されました。依頼者は、左鎖骨遠位端骨折等の傷害を受けました。
2.相談・依頼のきっかけ
依頼者は、手術を受けたものの、左肩関節の可動域に制限が残り、手術痕も残りました。そこで、適切な後遺障害等級認定を受けたいとして、当事務所に相談されました。
3.当事務所の活動
当事務所で後遺障害等級認定をしたところ、左肩関節の機能障害について12級6号の後遺障害等級認定を受けることができました。もっとも、手術痕については、傷痕の範囲が規定の範囲内とのことで、後遺障害非該当とされました。
手術痕について後遺障害非該当とされるのはやむを得ないとしても、若い女性にとって、そのぶんの精神的苦痛についても慰謝料が発生するものとして、当事務所で示談交渉を行いました。
4.当事務所が関与した結果
示談交渉では、相手方損害保険は、裁判基準に比べて相当低額の示談提案しかしてきませんでした。そこで、当事務所で裁判をすることとし、訴状を作成したうえで、相手方損害保険にその旨を連絡したところ、相手方損害保険から、示談提案内容を再考したいとして、暫くしてから、ある程度の内容の示談提案がでてきました。さらに示談交渉を進め、結果的には、概ね裁判基準程度の内容での示談がまとまることになりました。
5.解決のポイント(所感)
示談交渉が決裂して裁判をする際には、いきなり訴状が加害者本人に届くと無用な混乱が生じかねませんので、当事務所では、事前に、裁判をする旨を相手方損害保険に連絡するようにしています。その場合、相手方損害保険から示談提案内容を再考したいと言われることはあまりなく、今回は珍しいケースでした。作った訴状は無駄になりましたけれども、結果的には、裁判をするよりも早期解決ができ、依頼者にとって納得できる賠償を受けることができて、よかったです。