併合11級:賠償額が764万円から2236万円へアップした事例(改訂)

男性(20代)
後遺障害併合11級:右膝関節可動域制限、右下肢短縮

1 事故発生

新宮市内在住の20代後半の男性会社員が、狭い路で対向しようと左側に軽自動車を寄せて待機していたにもかかわらず、対向していた加害者運転の自動車が、男軽自動車を見落とし、正面衝突しました。

 

その結果、男性は、右膝関節可動域制限(12級7号)、右下肢短縮(13級8号)が残り、併合11級の認定を受けました。

 

2 相談・依頼のきっかけ

「相手方保険会社から提示がきたが、少なすぎると思う」とのことで、相談・依頼されました。

 

3 当事務所の活動

相手方からの提示額764万円を精査したところ、通常の後遺障害11級に相当する裁判基準と比較しても明らかに低額の提示でした。

しかも、男性の後遺障害の等級は11級でしたが、具体的な不具合を詳しくうかがうと、労働能力の低下は通常の11級よりも重いと思われるものでした。 しかし、自賠責の後遺障害の認定基準では、11級より上位等級の認定を受けることは難しい状態です。

そこで、裁判をして、男性に残存している具体的な不具合を丁寧に立証し、11級よりも逸失利益が重いと主張し、通常の11級に相当する裁判基準を超える逸失利益と慰謝料を求めることとしました。

 

4 当事務所が関与した結果

その結果、裁判所より、逸失利益については、向こう10年間は後遺障害10級相当(11年目以降は11級相当)の逸失利益を前提とし、また、通常の11級に相当する裁判基準(420万円)を超える慰謝料480万円を前提とするなど、通常の11級に相当する裁判基準を上回る合計3000万円(既払い金を含む)の和解勧告を得て、勧告どおりの和解ができました。

 

5 解決のポイント(所感)

自賠責の後遺障害の認定等級に基づく裁判基準を超える損害を求めることは、示談交渉ではまず無理であるため、いきなり裁判をすることにしました。

 

裁判では、主治医から残存障害の状況を詳しく聴き取り、その内容を診断書にまとめていただいて証拠として提出したり、男性に裁判期日に来てもらって、男性の不具合状況を裁判所と相手方代理人にご理解いただくなど、精力的に立証活動に取り組んだことがポイントとなりました。

ただ、この男性の場合、不具合が相当重かったため裁判をすることにしたのですが、当然ながら、裁判をすれば誰でも自賠責の後遺障害の認定等級に基づく裁判基準を超える損害を認めてもらえるわけではありません。見極めと立証努力が大切となります。

 

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